秋 2020年3月12日増殖する小詩集tsuzura いじわるでみにくい校庭があった こんなに晴れた子 わたしは知らないよ うしろめたいひとたちは 耳まで埋められて おばあさんの卵焼きをたべている 水飲み場にはとうとう 一本足の昆虫がたくさん集まってきた 残酷でおかしい わたしのひそひそ話をするために みにくい校庭のために
忌 2020年3月12日増殖する小詩集tsuzura 鏡をのんだまま印旛沼をみおろした 父母がうつらない夜 てくまくまやこん (もう舟は捨てよう) 新橋にでて 子どもらとふるい魚ものんだ (泳げるかな) 沼にうつらないものはおそろしいが ひとの夜まではほろぼさない その鏡ものみ干したので 新橋では 左右が血でひかっていた
内視 2020年3月12日増殖する小詩集tsuzura わたしのなかに落ちている鏡 こういう癒着はたまらない ネモ船長 どこにいくのでありますか (ちょっとそこまで) このひと沈んでいますが たすけますか 出し入れされるふつうの鏡 うつっている男は ああ、はぜ