「巡景詩篇」カテゴリーアーカイブ

どんどん街

耳鼻咽喉科。ひとの顔は。
穴でできている。
信用第一だもの。
意味なんかどうでもいい。
この商店街の入口だって穴でできている。
(どんどんどん。何の音。)
世間の音だよ。
ということが。ぜんぜんわからない。
その奥から街は燃え立つのだろう。
そう言ってみたかっただけ。
どんどんと。
水をたらして。
耳鼻咽喉はほそく生きてのびていく。

中国の虎




初音町。歯ぎしりしながらゆきすぎる。
なんてね。
中国の虎。
つまり夜の外国人というわけさ。
後悔も少しはあった。
(シナトラだ。)
わらえないのに。同じことが。
思い起こされてしまう。
若くして牛蒡につらね。
(廃車。不要車。一万円。)
となりは中華料理。わたしのみち。
でも。そこではおばさんが歩いている。

綱の手引坂

綱坂のちかく。
手を引かれて。綱が。
(のぼる、くだる。)どっちかな。
曇って少し。寒い景色で、
手がひかる。
片手のひかり。
それだけで。こちらへと。
引くこともできる。
わたなべの綱。
死んだやつのおもいでだもの。
しらないひとの。