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土曜日の男






ながいくんに詩をおしえてもらった
こけこっこのおばさん
しめころされた
(びっくりしたあのことば)
わたしは鶏かもしれない
土曜日の午前中にしか彼は来なかった
かつて
あくびのように
半日あいていた学校
ひとはほろび
わたしたちはにせの神々だった

虱のこと





『福翁自伝』
おまえはもう死んでいる
「中津の人と言語風俗を殊にして」
浮いていた
「そうでおます」
つい大阪のことばがでる
江戸時代を空中浮遊
「誠に汚い奇談があるから
話しましょう」
女乞食の虱潰し
おまえはもう開ける口がない
わたしだって単に音が出るだけ
(なにが詩だ)

学生





少年のころも血は流れなかった
(イトーヨーカ堂のせいだ)
世界は学生ばかり
あべくんは中学をでてすぐ背広を着た
わたしは学生服を着て
すれちがったことがある
あべくんは笑う
世界はあべくんに笑われる
(イトーヨーカ堂の裏だ)
血は一行の声になっている
学生は夢であべくんを殺すしかない