八王子




そんなに遠くまではいかない。
運ばれていく身。
うつろであったろう。
横浜ではうまくもないそばをたべ。
わたしらは歩いた。
みずからを絹糸のように運んだのだ。
帷子川が泣いている。
だれも泣いていないのは知っているのに。
(八王子までもつかな。)
うしろから妻を、おおうように抱くと。
わたしらは消える。
川の音に。さらわれて、
祭礼の牛車になったのだ。
明日も。この路はうつろであるだろう。