富士神社

おいてきぼりだろう。
荒野でとがっていたな。
世俗の妻は膝が痛くなってしまった。
わたしひとりが。
消えていく高みだもの。
(悲劇といっても大したことはない。)
すぐに。
高く思い上がったわたしは降りてくる。
きょうはひとがいないよ。
小学生の女の子が。
この世界をナイフのように切っていくので。
きみはまるで次郎長だな。
この神社はつまるところ。
(無意志。)
世界に向かってはとがってない。