竹橋

だが。
竹でできているものは何ひとつない。
どこを渡らされたのか。
小さく。うすい字で何かが。
わからないように展示された館内。
黒いスカートの、
おどろくほどふとい足が。
どこにもないなよ竹をのぞいている。
(ふといな、おどろくほど。)
じじいが白く。
おどって、美術のなかでほろびているわ。
竹を割ったような。
(となりの二本足。)
そういう亡魂のおまえだ。
水はわたしたちのすぐ近くにある。
おどろけ。