西柴のおわり

猫が。落ちた。
そのものは死なない。合一。
わたしの目がしらが暗くなった。
堀口の坂を。
(サウロは地面から起き上がって。)
目をあけたが。
何もみえなかった。
のぼりきれば。
いもしない闇の妻がみえるだろうか。
猫が。落ちて。
ふるいことばをくわえた。
そしてすぐに捨てる。合一。
なつかしさは何も伝わってこない。