焼身

大衆のステーキだ。右にまがる。
ひとはだれもいないが、
肉の食われている気配はある。
(おれは通りかかっただけ。)
夕方がまたやってきた。と。
嘆いているひとが。
死んでいるのか。生きているのか。
すがたからは見分けがつかない、
おれの代理のステーキ。
そこにはだれもいない。
鉄に触れて。
(あんただれ。)
あぶらが声をあげているのさ。