死んでゆく部屋


長男が生まれて。
しばらくして引っ越しをした。
(こんなに無数の部屋を。)
どうやって殺していこう。
引っ越しの晩。蒲団にくるまり、
わたしらはコンビニのおにぎりで過ごした。
二十数年後。その長男が。
じぶんの部屋を素手で殺している。
(こうやって部屋は死ぬのか。)
こどものころ。わたしは。
六畳の端にある、便所がこわかった。
借家のゆうれいが出そうだったのだ。
でも今じゃ、わらいばなし。
不気味にさまよっているのは。
じつは、生きてる方のやつなんだよな。