渋谷は

渋谷はもうほろびてもいい。
わたしたちは迂回するだろうね。
(一生かけても。)
とつぜん死んでしまった、
かわいそうな学芸大学駅。
ゆうれいのように学んでいるものども。
あのね。きみらはなんでも
詩にしようとしてないだろうか。
妻にいわれた。
(あ、飛行船。)
指摘されてわたしは急に縮小される。
浮かばれないから。
くらしと抒情は分けようよ。
そこからふたたび下北沢まであるいた。
もう。渋谷は。
空からほろびたっていいんだ。

間宮林蔵

橋はやっぱり鉄だろ。
こまめに地域はつながれていく。
間宮林蔵の墓。
彼に向って明治の鉄橋をかけてみよう。
わたくしと妻は。
たしかめる。病気を。
死んだ間宮林蔵。
もうさむいところへは行かれないな。
こどもたちは一人ずつ瓶から出ていく。
鉄橋のほんとのきもち。
(鉄の歴史はすごく短いんだが。)