地獄

次男が、来月から。
地獄に転勤することになった。
多くのひとが死に絶え。
それでもまだ飯を食おうとしてやってくる。
そういう人口の少ないところだ。
(いや。違うから。)
地獄じゃないから。
わたしと妻はおがんでいる。
自分らはわるいことをしたとは思ってないが。
次男は、地味な地獄にいく。
しかたない。
一本道がずっと続いていて。
左右に遠く青い山がみえる。
阿鼻叫喚をつくる大きな工場もあるんだね。
(いや。違うから。)

富士神社

おいてきぼりだろう。
荒野でとがっていたな。
世俗の妻は膝が痛くなってしまった。
わたしひとりが。
消えていく高みだもの。
(悲劇といっても大したことはない。)
すぐに。
高く思い上がったわたしは降りてくる。
きょうはひとがいないよ。
小学生の女の子が。
この世界をナイフのように切っていくので。
きみはまるで次郎長だな。
この神社はつまるところ。
(無意志。)
世界に向かってはとがってない。